「売掛金があるのに手元に資金がない」「銀行融資の審査が通らなかった」——個人事業主として事業を続けるなかで、こうした資金繰りの悩みを抱えたことはありませんか?そんなときに有効な選択肢がファクタリングです。本記事では、ファクタリングの仕組みや手数料相場、審査のポイントから悪質業者の見分け方まで、個人事業主が知っておくべき情報を徹底解説します。
ファクタリングとは?個人事業主でも利用できる仕組みを図解で解説

ファクタリングは、事業者が保有する売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却し、現金を早期に受け取る資金調達手法です。
銀行融資のように借り入れるのではなく、すでに確定している売掛債権を「売る」という形をとるため、負債が増えず財務状況を悪化させないという特徴があります。
個人事業主であっても、法人と同様に売掛金が発生するビジネスをしていれば利用可能です。フリーランスや一人親方など、幅広い業態で活用されています。
ファクタリングの基本的な仕組み
ファクタリングの流れは以下のとおりです。
- 事業者(個人事業主)が売掛先(取引先)に対して商品・サービスを提供し、売掛金が発生する。
- 事業者がファクタリング会社に売掛金を売却する申請を行う。
- ファクタリング会社が売掛金の審査を行い、手数料を差し引いた金額を事業者に支払う。
- 売掛金の支払期日が来たら、事業者または売掛先がファクタリング会社に支払いをする。
たとえば、100万円の売掛金をファクタリングに出し、手数料が10%の場合、90万円が即日〜数日以内に入金されます。
支払いサイト(請求から入金まで)が60〜90日ある場合でも、ファクタリングを使えばその期間を待たずに資金を手元に確保できます。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
ファクタリングには大きく分けて2社間と3社間の2種類があります。
| 項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 関係者 | 事業者・ファクタリング会社 | 事業者・ファクタリング会社・売掛先 |
| 売掛先への通知 | なし(秘密裏に利用可) | あり(売掛先の承諾が必要) |
| 手数料 | 高め(10〜30%程度) | 低め(1〜10%程度) |
| 入金スピード | 最短即日 | 数日〜1週間程度 |
| 回収方法 | 事業者がファクタリング会社に振込 | 売掛先がファクタリング会社に直接振込 |
個人事業主には2社間ファクタリングが人気です。売掛先に知られることなく利用できるため、取引関係への影響を心配せずに資金調達できます。
一方、手数料を抑えたい場合や売掛先との信頼関係が確立している場合は、3社間ファクタリングを検討するとよいでしょう。
銀行融資・ビジネスローンとの違い
銀行融資やビジネスローンとファクタリングの主な違いを比較します。
| 項目 | ファクタリング | 銀行融資 | ビジネスローン |
|---|---|---|---|
| 性質 | 売掛債権の売却 | 借入(負債) | 借入(負債) |
| 審査基準 | 売掛先の信用力中心 | 事業者の信用力・担保 | 事業者の信用力 |
| 担保・保証人 | 不要 | 必要なことが多い | 不要が多い |
| 入金スピード | 最短即日 | 数週間〜数ヶ月 | 最短即日〜数日 |
| コスト | 手数料10〜30%(2社間) | 金利2〜5%程度 | 金利5〜18%程度 |
| 信用情報 | 影響なし | 影響あり | 影響あり |
ファクタリングは借り入れではないため、貸借対照表上の負債が増えません。また、審査の軸が事業者本人の信用力よりも売掛先の信用力に置かれるため、業績が振るわない時期でも利用できる可能性があります。
個人事業主がファクタリングを利用できる条件

ファクタリングは法人だけでなく個人事業主も利用できますが、すべての人が対象になるわけではありません。
事前に利用条件を把握しておくことで、申し込みから入金までの流れをスムーズに進めることができます。
利用できる個人事業主の条件
多くのファクタリング会社が設けている基本的な条件は以下のとおりです。
- 事業として継続的に売掛金が発生していること(単発の個人間取引は対象外のことが多い)
- 売掛先が法人または継続的に取引実績のある事業者であること
- 売掛金の支払期日が到来していないこと(すでに期日が過ぎた売掛金は対象外)
- 売掛金が二重譲渡されていないこと
- 申込者が成年であること
開業したばかりの事業主でも、有効な請求書(売掛金)があれば利用できるケースがほとんどです。開業年数よりも、売掛先の信用力が重視されます。
売掛金の最低金額は会社によって異なりますが、10万円〜30万円程度を下限に設定しているところが多い傾向です。
対応している業種の具体例
ファクタリングが利用されやすい業種の例を挙げます。
- IT・Web系:システム開発、Web制作、デザイン、コンサルティング
- 建設・工事業:一人親方、大工、電気工事、内装工事
- 運送・物流業:軽貨物ドライバー、運送業者
- 医療・介護:訪問介護、医療機関(診療報酬ファクタリング)
- 製造業:下請けメーカー、OEM事業者
- 士業・コンサル:税理士、社労士、中小企業診断士
- 人材派遣・業務委託:フリーランサー、業務委託契約者
上記以外でも、継続的なBtoBの取引があり請求書が発行できれば、基本的に利用対象になります。
利用が難しいケースと対処法
以下のケースではファクタリングの利用が難しい場合があります。
- 売掛先が個人(BtoC取引)の場合:売掛先が個人の場合、信用評価が困難なため断られることが多い。→対処法:法人との取引実績を積む、または他の資金調達方法(カードローン等)を検討。
- 売掛金に担保や差し押さえが設定されている場合:二重譲渡になるため利用不可。→対処法:担保を解除してから申し込む。
- 売掛先が経営不振・倒産懸念がある場合:審査で弾かれる可能性が高い。→対処法:別の売掛先の請求書で申し込む。
- 売掛金額が極端に少ない(数万円以下)場合:最低取扱金額に満たない場合は断られる。→対処法:複数の請求書をまとめて申し込む。
個人事業主がファクタリングを使う5つのメリット

ファクタリングには個人事業主にとって大きなメリットがあります。銀行融資や他の資金調達手段と比較しながら、具体的に解説します。
最短即日で資金調達できる
ファクタリングの最大のメリットはスピードです。オンライン完結型のサービスであれば、申し込みから最短2〜4時間で入金されるケースもあります。
銀行融資は審査に数週間から数ヶ月かかるのに対し、ファクタリングは翌日〜2営業日以内に入金されることが標準的です。
「来月の支払いに間に合わない」「急な仕入れ資金が必要」といった緊急時でも対応できる点は、個人事業主にとって非常に心強い選択肢です。
赤字・税金滞納があっても利用できる可能性がある
ファクタリングの審査では、申込者(個人事業主)の財務状況よりも売掛先の信用力が重視されます。
そのため、以下のような状況でも利用できる可能性があります。
- 直近の確定申告で赤字が続いている
- 税金(所得税・住民税・消費税)を滞納している
- 事業開始から間もなく実績が少ない
- 過去に金融機関からの融資が断られた
ただし、税金滞納が売掛金に差し押さえとして及んでいる場合は、別途対応が必要になります。税務署や自治体と分納交渉を行った上で申し込むことをお勧めします。
信用情報に記録が残らない
ファクタリングは借り入れではなく売掛債権の売却であるため、CICやJICCなどの信用情報機関に記録が残りません。
将来的に住宅ローンや自動車ローン、銀行融資を申し込む際に影響を与えないため、信用情報をクリーンに保ちながら資金調達できる点は大きなメリットです。
カードローンやビジネスローンを繰り返し利用すると「多重債務者」と判断されるリスクがありますが、ファクタリングにはその心配がありません。
担保・保証人が不要
銀行融資では不動産担保や連帯保証人を求められることが多く、個人事業主にとってはハードルが高いと感じる方も少なくありません。
ファクタリングは売掛金そのものが担保の代わりとなるため、不動産担保も保証人も一切不要です。
創業間もない個人事業主や、担保にできる資産を持っていない方でも利用できる点が、多くのフリーランサーや一人親方に支持される理由の一つです。
売掛先の倒産リスクを回避できる
ファクタリングには償還請求権なし(ノンリコース)のタイプがあります。これは、売掛先が倒産して支払いができなくなった場合でも、事業者がファクタリング会社に返金する義務がないというものです。
売掛金の未回収リスクをファクタリング会社に転嫁できるため、取引先の経営状況が不安定な場合に特に有効な手段です。
なお、「償還請求権あり(ウィズリコース)」の場合は売掛先が倒産すると事業者が返金義務を負うため、契約前に必ず確認することが重要です。
ファクタリングのデメリット・注意点3つ

ファクタリングはメリットだけではありません。利用前にデメリットや注意点をしっかり把握しておくことが、失敗しない資金調達の第一歩です。
手数料が融資より高い
ファクタリングの最大のデメリットはコストの高さです。
2社間ファクタリングでは手数料が10〜30%に設定されることが多く、銀行融資の金利(年2〜5%程度)と比較すると割高です。
例えば、100万円の売掛金を20%の手数料でファクタリングした場合、手元に残るのは80万円です。急ぎの資金需要には対応できますが、コストパフォーマンスの観点では注意が必要です。
繰り返し利用すると資金繰りが悪化するリスクもあるため、恒常的な赤字補填目的での多用は避け、あくまでも一時的な資金ショートへの対応策として位置づけることが賢明です。
悪質業者・闇金が紛れている
ファクタリング業界には悪質業者が存在することも事実です。なかには違法な金利を設定したり、契約内容を偽って高額な費用を請求したりする業者もいます。
特に注意すべき悪質業者の特徴は以下のとおりです。
- 手数料が50%以上と異常に高い
- 会社所在地が不明瞭、または住所がバーチャルオフィスのみ
- 契約書を提示しない、または口頭での契約を求める
- 給与ファクタリング(労働者の給与を対象とするもの)を勧めてくる(貸金業法違反の可能性)
なお、金融庁は給与ファクタリングを実質的な貸付として貸金業法の規制対象としています。怪しいと感じたら即座に断り、金融庁の相談窓口に連絡することをお勧めします。
売掛先との関係悪化リスクがある(3社間の場合)
3社間ファクタリングでは売掛先(取引先)にファクタリングの利用を通知する必要があります。
売掛先によっては「資金繰りが厳しいのか」「経営状態が悪いのでは」と判断し、取引の継続を不安視されるリスクがあります。
取引先との信頼関係を重視する場合は2社間ファクタリングを選択し、秘密裏に資金調達するのが一般的です。手数料は高くなりますが、ビジネス上の関係性を守ることができます。
個人事業主向けファクタリングの手数料相場と費用内訳

ファクタリングを利用する前に、実際にかかるコストを正確に把握しておくことが重要です。手数料の相場と隠れコストについて詳しく解説します。
手数料の相場目安【2社間・3社間別】
手数料の相場は以下のとおりです。
| 種別 | 手数料相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 2社間ファクタリング | 10〜30% | 売掛先に通知不要、最短即日入金 |
| 3社間ファクタリング | 1〜10% | 売掛先の承諾が必要、手数料が低い |
| オンライン完結型(2社間) | 5〜15% | AI審査で迅速対応、中間的な手数料 |
手数料は売掛金額・売掛先の信用力・支払いサイト(期日までの日数)・事業者の利用実績などによって変動します。
一般的に、売掛金額が大きいほど、支払いサイトが短いほど、手数料率は低くなる傾向があります。
手数料以外にかかる費用
手数料以外にも、以下の費用が発生する場合があります。事前に確認しておきましょう。
- 審査費用・事務手数料:0〜3万円程度(無料の会社も多い)
- 契約書の収入印紙代:契約金額に応じて200〜数万円(電子契約の場合は不要)
- 振込手数料:数百円〜数千円(会社や金融機関によって異なる)
- 登記簿謄本取得費用:申込者が法人の場合(個人事業主は住民票で代替可能なことが多い)
優良なファクタリング会社は手数料以外の費用を最小限に抑えているか、初回無料などのキャンペーンを設けていることが多いです。
手数料を抑える3つのコツ
- 複数社に見積もりを依頼する:同じ売掛金でも会社によって手数料は大きく異なります。2〜3社に見積もりを取って比較することで、数%〜10%以上のコスト削減が可能です。
- 3社間ファクタリングを検討する:売掛先に通知できる場合は3社間を選択することで、手数料を大幅に抑えられます。1%台から利用できる会社もあります。
- 継続利用・リピート割引を活用する:同じファクタリング会社を繰り返し利用すると、実績が積み上がり手数料が優遇されるケースがあります。信頼関係を構築することがコスト削減の近道です。
ファクタリングの必要書類と審査のポイント

スムーズに申し込みを進めるために、必要書類と審査で重視されるポイントをあらかじめ把握しておきましょう。
申込時に必要な書類一覧
個人事業主がファクタリングを申し込む際に一般的に求められる書類は以下のとおりです。
- 売掛金の証明書類:請求書(インボイス)、注文書、契約書など
- 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
- 通帳のコピー:直近3〜6ヶ月分(入出金の確認に使用)
- 確定申告書:直近1〜2年分(青色・白色申告書)
- 売掛先との取引実績が確認できる書類:過去の請求書・入金履歴など
会社によっては確定申告書不要・通帳コピーのみでスピード審査を行うところもあります。
オンライン完結型では、スマートフォンで書類をスキャンして送付するだけで申し込める手軽さが魅力です。
審査で見られる3つのポイント
- 売掛先の信用力:売掛先が大企業・上場企業・官公庁であるほど審査通過率が高く、手数料も低くなる傾向があります。売掛先が中小企業や新興企業の場合は慎重に審査されます。
- 売掛金の実在性・適正性:請求書の内容が実際の取引に基づくものであるか、支払い期日が適切かを確認されます。架空請求書や過去に遡った請求書は審査に通りません。
- 事業者の入金管理実績:通帳の履歴から、売掛先から定期的に入金されているかどうかが確認されます。同じ売掛先との取引が継続的に確認できると審査に有利です。
審査に落ちる原因と対策
審査に落ちてしまう主な原因と対策を紹介します。
- 売掛先が個人または信用力が低い→法人取引の売掛金で再申し込み
- 支払い期日まで期間が短すぎる(3日以内など)→早めに申し込む、または別の請求書で申し込む
- 請求書の内容が不明確→取引内容・金額・支払い条件を明記した請求書を再発行
- 過去に同じ売掛金で二重申し込み歴がある→一社に絞って申し込む
ファクタリングの申込から入金までの流れ【5ステップ】

実際にファクタリングを利用する際の申し込みから入金までの流れを、5つのステップで解説します。
ステップ1:問い合わせ・仮審査
まずはファクタリング会社のWebサイトや電話から問い合わせます。売掛金の金額・売掛先情報・希望金額を伝えると、仮審査として概算の手数料と調達可能額が提示されます。
多くの会社では仮審査は無料・匿名でも可能です。まず複数社に仮審査を依頼して条件を比較しましょう。
ステップ2:必要書類の提出
仮審査の条件に納得できたら、正式に必要書類を提出します。
オンライン完結型ではPDF・スキャン・スマートフォン撮影での提出が可能です。郵送や持参が必要な会社もあるため、事前に確認しておきましょう。
ステップ3:本審査
書類提出後、ファクタリング会社が売掛金の実在性と売掛先の信用力を中心に本審査を行います。
審査時間はオンライン型で30分〜数時間、対面型で数時間〜翌営業日が目安です。
ステップ4:契約締結
審査通過後、ファクタリング会社から正式な契約書が提示されます。手数料・入金額・支払い条件・償還請求権の有無などを必ず確認した上で署名・捺印します。
電子契約に対応している会社では、印鑑不要でオンライン上で契約を完結させることができます。
ステップ5:入金
契約完了後、指定の銀行口座に売掛金から手数料を差し引いた金額が振り込まれます。
最短即日入金を謳う会社では、午前中に契約完了した場合に同日中に入金されるケースも多く見られます。
その後、売掛金の支払い期日に、2社間の場合は事業者がファクタリング会社に同額を振り込む義務があります。この入金を忘れると契約違反・信用失墜につながるため、期日管理を徹底してください。
悪質なファクタリング業者を避けるためのチェックポイント

ファクタリング市場の拡大とともに、悪質業者も増加しています。被害に遭わないためのチェックポイントを確認しましょう。
会社情報の確認方法
- 法人登記の確認:法務省の登記情報提供サービスで実際に登記されているか確認する。
- 所在地の確認:Google Mapsや法人番号公表サイトで所在地を確認。バーチャルオフィスのみの場合は注意。
- 代表者名・設立年の公開:Webサイトや会社案内に代表者・設立年が明記されているか確認。
- 電話番号・問い合わせ先の明示:固定電話番号や実際に繋がる連絡先があるか確認。
危険な手数料・条件の見極め方
以下に該当する業者は危険信号です。
- 手数料が50%を超える(実質的な高金利貸付の可能性)
- 給与・賃金を対象としたファクタリングを勧める(貸金業法違反の可能性)
- 契約書を交わさず口頭や簡単なメモのみで取引しようとする
- 審査なしで全額即日入金を保証する宣伝文句
- 利用後に追加費用・違約金を請求してくる
契約書で必ず確認すべき項目
- 手数料率・手数料の計算方法:実質的な負担額を確認。
- 償還請求権(リコース)の有無:売掛先が倒産した場合の責任範囲を確認。
- 売掛金の管理・回収方法:2社間の場合、自分がファクタリング会社に振り込む期日を確認。
- 契約解除条件・違約金:解約時にかかるペナルティを確認。
- 個人情報の取り扱い:売掛先情報の第三者提供・漏洩防止策を確認。
ファクタリングの確定申告・仕訳方法

個人事業主がファクタリングを利用した場合、確定申告での処理方法を正確に把握しておく必要があります。
ファクタリングの勘定科目と仕訳例
ファクタリングの仕訳は以下のように行います。
【例】100万円の売掛金を手数料10%(10万円)でファクタリングし、90万円が入金された場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 900,000円 | 売掛金 | 1,000,000円 |
| 売上債権売却損(または支払手数料) | 100,000円 |
ファクタリング手数料の勘定科目は『売上債権売却損』または『支払手数料』が一般的です。どちらを使用しても問題ありませんが、継続して同じ科目を使用することが重要です。
青色申告を行っている個人事業主は、帳簿に正確に記録することで経費として計上でき、所得税の節税につながります。
消費税の取り扱い
ファクタリングにかかる手数料の消費税については、国税庁の通達に基づき以下のとおりとなります。
- 売掛債権の譲渡自体:消費税の非課税取引(金銭債権の譲渡は非課税)
- ファクタリング手数料:課税取引(消費税が課される)
ファクタリングの買取手数料・保証料は非課税取引に該当するため、インボイス制度の影響を受けません。契約書や領収書へのインボイス番号の記載は不要であり、仕入税額控除の対象にもなりません。ただし、別途請求される事務手数料・出張費等の課税費用については、インボイス発行事業者であるかの確認と仕入税額控除の適用が必要です。
仕訳や税務処理に不安がある場合は、税理士や国税庁の税務相談を活用することをお勧めします。
個人事業主がファクタリング会社を選ぶ5つの基準
数多くのファクタリング会社の中から、個人事業主に適した会社を選ぶ際の基準を5つ紹介します。
個人事業主の利用実績があるか
ファクタリング会社の中には法人専門で個人事業主の申し込みを受け付けていないところもあります。
Webサイトや問い合わせ時に「個人事業主・フリーランス対応」と明記されているか、過去の利用者事例に個人事業主が含まれているかを確認しましょう。
手数料の透明性
手数料の範囲をWebサイト上で明確に開示している会社を選ぶことが重要です。
「手数料は要相談」のみで具体的な数字を示さない会社は、後から高額な手数料を請求されるリスクがあります。手数料の上限・下限と計算方法が明示されているかを確認してください。
入金スピード
資金調達の緊急度に応じて、入金スピードを重視する場合は「最短即日入金」「同日入金」に対応しているかを確認します。
午前中に申し込んで同日入金されるサービスや、24時間365日受付対応のオンラインサービスも存在します。
オンライン完結の可否
地方在住の個人事業主や、対面での手続きが難しい方にはオンライン完結型が便利です。
書類提出から契約締結・入金まですべてオンラインで完結できる会社であれば、全国どこからでも利用でき、移動コストや時間的コストを省けます。電子契約に対応しているかどうかも確認ポイントです。
口コミ・評判
Google口コミや第三者の比較サイトでの評判を参考にすることも有効です。
特に以下の観点での口コミを重視しましょう。
- 担当者の対応の丁寧さ・誠実さ
- 提示された手数料と実際の手数料が一致しているか
- 入金スピードが約束どおりか
- 契約後の追加請求がないか
個人事業主のファクタリングに関するよくある質問
個人事業主からよく寄せられるファクタリングに関する疑問に回答します。
開業したばかりでも利用できる?
Q. 開業したばかりでも利用できますか?
A: はい、開業直後でも利用できる場合があります。ファクタリングの審査は事業者の事業年数よりも売掛先の信用力と売掛金の実在性を重視します。有効な請求書があれば、開業初月から利用できたという事例も多くあります。
売掛先にバレずに利用できる?
Q. 売掛先にファクタリングの利用がバレませんか?
A: 2社間ファクタリングを選択すれば、売掛先への通知は不要であり、原則として利用が知られることはありません。ただし、契約書の内容によって売掛先への通知義務が定められている場合もあるため、契約前に確認が必要です。
何度も繰り返し利用できる?
Q. ファクタリングは継続して繰り返し利用できますか?
A: はい、繰り返し利用できます。むしろ同じ会社を継続利用することで信頼関係が築かれ、手数料が優遇されたり審査が迅速になったりするメリットがあります。ただし、毎月ファクタリングに依存する状況は資金繰りの根本的な改善にはならないため、中長期的な資金計画の見直しも合わせて行うことをお勧めします。
個人間の売掛金でも使える?
Q. 取引先が個人(BtoC)の売掛金でもファクタリングできますか?
A: 基本的には困難です。ファクタリングは売掛先(債務者)の信用力を審査するため、取引先が個人の場合は信用評価が難しく、ほとんどのファクタリング会社が対応していません。法人または継続的な事業者との取引で発生した売掛金を対象にするのが原則です。
まとめ
本記事では、個人事業主がファクタリングで資金調達する方法について、仕組みから手数料・審査・会社選びまで幅広く解説しました。
- ファクタリングは売掛金を売却して早期資金化する手法であり、借り入れではないため信用情報に影響しない。
- 個人事業主でも利用可能で、開業直後・赤字・税金滞納でも審査に通る可能性がある。
- 手数料は2社間10〜30%、3社間1〜10%が相場。複数社比較で費用を抑えよう。
- 悪質業者を避けるため、会社情報・契約書・手数料の透明性を必ず確認する。
- 確定申告では売上債権売却損または支払手数料として計上し、正確な記帳を心がける。
急な資金ショートや銀行融資が難しい局面では、ファクタリングは有力な選択肢です。複数社に見積もりを依頼し、条件を慎重に比較した上で、自分のビジネスに最適なファクタリング会社を選びましょう。


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